PROFILE
- 芸術学部 可以买滚球的app ファッション?コスチュームデザインコース3年生
- 畑野 友希さん
畑野 友希(はたの ゆうき)さん
現在の在籍学部:大阪成蹊大学 芸術学部 可以买滚球的app ファッション?コスチュームデザインコース4年生
受賞名:第10回 大阪成蹊全国アート&デザインコンペティション 大阪成蹊芸術大賞
受賞作品名:『Muddy Steam』
受賞時の在籍校:大阪府立港南造形高等学校3年生
第10回(2020年度)大阪成蹊全国アート&デザインコンペティションにて、最高賞である「大阪成蹊芸術大賞」を受賞し、現在本学に在籍中の畑野友希さんにお話を伺いました。
受賞された作品の世界観、タイトル名の背景?理由、作品にかけた思いなどをお聞かせください。
コンペティションに出させていただいた「Muddy Steam」は、『渦』と『共生』という2つのテーマより描いた銅版画の作品です。作品の世界観としては、高校3年間を通して常に外部からの刺激を受けながら、成長する自分自身の心の変化を作品に投影したもので、ゆったりと流れ動く雲が、鳥により巻き起こされる風により「濁流」のように激しく雲が荒れ変わる様、それと相反するようにぽっかりと空いた静かで真っ白な空間が想起させる違和感。そんな、ぶつかり、影響し、混ざり、一つとなり、私というアイデンティティに昇華される様子を、鳥と雲といった時間の流れ方が異なるものが『共生』し、1つの未来である『渦』を生みだす経過という形で表現しました。鳥を描いたのも、常に自分の成長に戸惑い違和感を抱えながらも未来に先を向け飛び立とうという意味も込めて描いた作品となっています。作品名の「Muddy Steam」というのも、濁流のような激しさを伴う刺激が、大きな成長につながると考えこの作品に名付けました。
▲『Muddy Steam』(大阪成蹊芸術大賞受賞作品)
作品の制作期間はどれくらいですか。
高校3年生の4月から構想を初めて約5ヶ月をかけて制作しました。
作品制作にあたってのポイント、工夫したところ、苦労したところなどをお聞かせください。
A1サイズと大作となっているので描き込みも大変ではありましたが、高校3年間で身につけた技法を活かし線画の強弱や細かな描写など、銅版画は銅版に傷をつけて描くためやり直しが効かないので最後まで慎重になりながら制作しました。また、刷りの過程において「Muddy Steam」は画面中央に真っ白な空間があり、紙本来の白を活かしたいと思っていたので、インクを刷り込み拭き取る作業では、念入りに拭き取っていたので腱鞘炎になりかけたりととても苦労しました。インクも、深みのある青を使用するなど細部までこだわり制作しました。
受賞したときの気持ちは?
制作背景で述べたように細部までとてもこだわった作品だったので、受賞のお話を伺った時はとても嬉しかったです。高校の恩師や友人からもたくさんのお褒めの声をいただくなど自身の3年間の頑張りがカタチになったようでとても嬉しく感じたことを覚えています。
現在、大学ではどのような作品制作に取り組んでいますか。
現在大学では、版画でのプリントの技術を活かしファッションコスチュームデザインコースにて衣装制作といった、服のデザイン?パターン?縫製?ファッションビジネスについて学んでいます。実際に、3年生展でもシルクスクリーンプリントを活用し、自身でデザインしたテキスタイルデザインの衣装を制作するなど形は違えど、高校での版画の学びは生かされています。
受賞当時(高校生)と比べてスキル面や作風などで変化はありますか。
高校生の時は、銅版画を中心としていたため現在のシルクスクリーンプリントは未熟ではあったものの、カタチにはなっていますし、元々美術が好きで絵を描くのが得意であったためファッションデザイン画などで人物を描くという点ではスキルアップしていると思います。作風としては、立体と平面であるため変化について比べ難いです。
▲3年生時の制作物
▲模様はシルクスクリーンプリントで染色
現在の制作環境についてどう思いますか。
芸術学部の先生方は、所属するコース以外でもとても親身になって、やりたいという学生の熱意に対して背中を押してくださるので、大阪成蹊大学で学べることにとても感謝しています。私が所属するファッション?コスチュームデザインコースは、私たちの代が1期生ということで初めての挑戦をする機会が多いですが、フィリピンの子供達とのファッションショーに衣装提供を行うなど、1人ではなくコース全体で社会課題に対し取り組むなど、専門や他大学にはない広く深い専門知識を身につけることができます。この学びを社会に出てからも活かせる人材になりたいと考えこれからも学びを深めたいと思います。
アート&デザインコンペティションに挑戦する高校生?中学生へのメッセージをお願いします。
私は制作活動をもともとやっていたということもありましたが、何よりも作品を作るというのに欠かせないのは『好奇心』や『興味』など好きという気持ちをカタチにすることだと考えています。作品を作ったことがない人でもやってみようという気持ちがあれば挑戦はできます。趣味の延長で絵や工作をしてみたり、大学でやってみたいと思っていることに一歩挑戦してみるきっかけとして、アート&デザインコンペティションに挑戦してみませんか。アート&デザインコンペティションをきっかけに皆さんのものづくりに対する思いがカタチになった作品に出会えることを楽しみにしています。
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※在学生の表記は2024年6月取材時のものです。